「Skinner_waltz」は、ふたりのアーティストで構成されています。
コラージュ作家・井上陽子、陶作家・安井ちさと。二者ともに「触感」に意識を向け制作を続けてきた作家です。
モノ作りとは自身(もしくは世界)の「皮を剥ぐ」作業なのではないだろうか。
「skin」とは、皮膚であり、身と外界を結ぶ「あわい」でもある。ものごとの内と外、自己と他者、を区切っている境界(領域、カテゴリー)を「皮(skin)」と見立てそれをすこしずつ剥いでみたり、もしくは包み直したり。二人の視差と境界を行き来し、試行(思考)していきたいと考えています。
この世界の安定したカテゴリーに定住しているものごとを、一度そこから切り離して、それぞれの世界に落とし込んでみる。そうすることで、これまでのカテゴライズでは感じることが出来なかったものを見つけることができるかもしれない、と思っています。
それは時に、ふたりでワルツを踊るような、境界の先に見えるもの。
ここに置ける関係性は一見不規則で、いわゆるワルツのような明快な秩序が見えづらいかもしれない。いかに、どこにワルツが生まれたか、もしくは生まれようとしているのか。それは、これからの私たちの活動の過程で徐々にかたちとして顕れ、捉え易くなっていくと思います。
その断片を自身のものとして、あなたも皮膚で、耳で、眼で、感じてみてください。
そうすれば、きっとあなたもワルツを踊りたくなることでしょう。
※「Skinner_waltz」は、サウンドクリエイターの若狭真司、コラージュ作家の井上陽子の展示会「skin」から派生したユニットです。その過程で陶作家の安井ちさとが加わりました。今後、「Skinner_waltz」の展示会は「skin」という名で発表してゆきます。
井上陽子
コラージュ・アーティスト
滋賀県生まれ。 2000年京都造形芸術大学・洋画コース卒業
偶然性や自然にできるリズムを大事にして、ドローイングと紙を組み合わせコラージュ作品を制作しています。
著書に『コラージュのおくりもの』(パイ・インターナショナル)『コラージュ図案帖』『写真と紙でつくるコラージュ』(雷鳥社)他書籍表紙に『沈黙のひと』(文芸春秋・小池真理子著)『数字の国のミステリー』(新潮社・マーカス デュ・ソートイ著)など他、多数提供。メーカーとの文具やラッピンググッズのデザイン、スターバックスのタンブラーなどにも作品提供。国内外のギャラリー、インテリアショップでの個展、グループ展開催
2020年より自身のオープンアトリエ「PARKSIDE LABO.」を開設。定期的にイベントやワークショップを開催
安井ちさと
愛知県名古屋市生まれ。茨城県在住。
幼いころから描くこと・つくることが好きで高校は美術科に進学し油絵、彫刻、日本画を学び、卒業時は油絵を専攻。大学も芸術系を選び1年次までは油絵を専攻していたが、大学1年の半ばごろから絵を描くことに違和感を覚え始め、大学2年で専攻を工芸に変更、陶芸を学び始める。
2010年筑波大学大学院芸術専攻博士前期過程工芸領域・陶芸を修了。修了後も、陶芸を主たる表現方法として作家活動を継続してきている。また、大学院1年次に第一子を授かり、現在3人の子供の母。
本格的な作家活動は2015年から。日本をベースにギャラリー、美術館での個展やグループ展を開催している。2017年からイギリス、イタリア、スペインなどヨーロッパ中心に海外での作品発表を始めた。
若狭真司
横浜生まれ。
10代より音楽活動を開始。
東京都内のライブハウスやクラブイベントを中心に活動する中で、自身の音楽性に置ける静寂性や、より音響的な感覚を追求するため独学で音楽を学び直す。その後、「未音制作所(ひつじおとせいさくしょ)」を開業。
各種CM/展示会/ファッションショー/イベントへの楽曲提供、演出を中心にその活動の幅を広げている。
また、映像作家とのアート/エレクトロユニット「SEMIOSIS」を結成。個人名義でアンビエントアーティストとしての活動も行っている。